2016年12月5日月曜日

2016.12.04 モーツァルト合奏団 第18回定期演奏会

那須野が原ハーモニーホール 大ホール

● 開演は午後2時。入場無料。

● 今回の曲目は次のとおり。
 メンデルスゾーン 弦楽のための交響曲第2番 ニ長調
 バッハ ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調
 モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」より抜粋
    序曲
    序奏「5・・・・・・10・・・・・・20・・・・・・」
    「もしも踊りをなさりたければ」
    「もう飛ぶまいぞ,この蝶々」
    「スザンナ,すぐ出ておいで」
    「スザンナは来ないかしら」
    フィナーレ
 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調(弦楽合奏版)

● かなり魅力的なラインナップ。これなら,聴きに行かざるべからず。
 最も印象に残ったのは,バッハのヴァイオリン協奏曲第2番。ソリストは江刺由梨さん。東京音大附属高校の3年生。地元の出身者であるらしい。
 弦が幾重にも折り重なるようにして,あぁバッハだなぁと思わせる響きを作る。その響きを作るのは,じつは奏者の楽器だけじゃない。

● ホールも表現者になる。バッハの曲ってそうじゃないですか。響きを響かせるホールの実力っていうのが,わりと前面に出る感じがする。
 バッハを響かせるのに合ったホールっていうのがありそうだ。宮城県の中新田バッハホール(1981年開館)が老舗だけれども,那須野が原ハーモニーホールもまた,かなりの実力の持ち主であるようだ。

● ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番も聴きごたえあり。CDでは何度も聴いているはずなのだ。が,11番ってこういう曲だったのかと初めて知った気分になった。CDでは何を聴いていたんだろう。
 終演後の団長あいさつで,この曲にはだいぶ手こずったという意味の話があった。楽譜をなぞるだけでも,相当な難曲であるのだろう。

● しかし,曲にいたぶられた(?)成果は間違いなく出ていたようだ。曲が元々備えているのであろうメリハリがきちんと表現されていたし,静から動への間合いも,これが本来なんだろうなと納得させるものだった(静と動って便利な言葉だから,つい使いたくなる。可能な限り遠ざけた方がいい常用句のひとつだろうね)
 粛然として襟を正さしめるところはあくまで粛然と,時々現れる軽ろみのところは,きちんと軽く。
 表題の「セリオーソ」とは「厳粛に」との意味らしい。そのように演奏しようとあえて思わなくても,曲がそれを強制するといった具合であろうかと推測する。

● この合奏団の演奏会の楽しみは演奏のほかにもうひとつある。それは何かと申せば,女性奏者のドレス。思い思いのカラフルなドレス。黒一色よりずっといいですよね。華やぎがある。黒一色では重厚感が強くなりすぎる。
 それにだ,言っちゃ何だけど,カラフルは七難隠すぞ。

● ところが。ステージ登場したのは黒一色のカラス軍団なんでした。アレッと思った。
 2曲目のバッハ「ヴァイオリン協奏曲」に登場するソリストのために,自分たちは自重しようということのようだった。
 そのあとは,カラフルで登場したからね。もっと派手でもぼくはいいと思うけど。

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