2013年3月24日日曜日

2013.03.23 ユーゲント・フィルハーモニカー第7回定期演奏会

すみだトリフォニーホール 大ホール

● 開演は午後2時。チケットは1,000円(前売券なら500円)。指揮は三河正典さん。

● ユーゲント・フィルハーモニカーの定演は,3年前に一度聴いている。ので,この楽団のレベルの高さはすでに体感ずみ。ステージには約80人の奏者が並んでいたけど,その一人ひとりがとんでもない才能をまとっているわけだ。
 3年前のメニューは,ラフマニノフの交響曲2番のほかは,サン=サーンスの交響詩「死の舞踏」とドビュッシーの「小組曲」だった。今回はオール・フランスで,ラヴェルの「ラ・ヴァルス」と「マ・メール・ロワ」(オーケストラ組曲版),サン=サーンスの交響曲第3番。

● すみだトリフォニーの大ホールが,ほぼ空席なし。多くの人が知ってるんでしょうね。お客さんは正直というかゲンキンだから(もちろん,ぼくもそうなんだけど),1,000円でこの楽団の演奏を聴けるのなら,行かない手はないってことなんだよね。
 実際さぁ,映画1本分より安い料金でこれだけの演奏を聴けるってのはさぁ,都内に住んでる人が羨ましいぞ。

● フランス音楽にはあまり馴染みがない。
 ラヴェルの音楽は,情景的というか,即興的というか,物語性を追わないというか,要は小粋な感じ。この小粋さが,ぼくの固くなった脳細胞の皮を破って中に染みこむには,少々時間を要するかも。

● サン=サーンスの交響曲3番。オルガンは野田優子さん。ここにピアノ(連弾)も加わるのだから,ステージは豪華絢爛。主役はしかし管弦楽で,オルガンは控えめに厚みを加えるんですな。
 ベートーヴェンの5番と同じハ短調で,サン=サーンスがベートーヴェンを意識しなかったはずはないと思うんだけど,ベートーヴェンのような物語性はこの曲には窺えない。だからイイとかダメとかではなくて,この曲にはこの曲の楽しみ方,味わい方があるのだろう。
 ぼくにはその楽しみ方がまだよくわかってなくて,難解な曲だなと思ってしまうんですけどね。

● 別の意味で,奏者にとってもこれは難曲でしょうね。この楽団なればこそ,ここまで高い完成度で客席に提供できたのだと思う。
 プログラムの「代表挨拶」に,「演奏という行為が「演奏会を開くため」という外形だけを残して「人に伝える」という本質的な意味を失ってしまわぬよう」「意欲的に活動してまいりたいと思います」とあったけども,それが空疎に聞こえないのは,客席を納得させるだけの技術をすでに持っているからなんだよね。

0 件のコメント:

コメントを投稿