2012年5月13日日曜日

2012.05.13 宇都宮ジュニアオーケストラ第16回定期演奏会

栃木県総合文化センター メインホール

● 13日は総合文化センターのメインホールで宇都宮ジュニアオーケストラの定期演奏会。14時開演。入場無料。このオケの存在を知ったのは,迂闊にも昨年のこと。
 が,プログラムの「団長あいさつ」によると,このオケが単独で演奏会を開催したのは昨年が初めてで,それまでは「宇都宮市ジュニア芸術祭ジョイントコンサートとしての合同演奏会を定期演奏会と位置付けてきました」とあるから,それほど迂闊でもなかったのかも。

● 指揮は水越久夫氏。このオケの設立時から常任指揮者を務めてきたそうだ。宇都宮市教育委員会の教育長でもある。役人(教員)としても成功した人ってことですね。目の前の仕事を一所懸命にやってきた人なんでしょう。
 メインホールは2階に空席が目立ったけれども,7割は入っていたのではないだろうか。

● 可愛らしい小学生もステージ上にいた。ジュニアとはいえ,年齢幅はかなりある。そこがいいんですよね。団員にとっては,小さくてもひとつの世間になっているに違いない。世間の中にちゃんといるってのは,それ自体が大切なことだもの。

● 曲目は次のとおり。いずれもメジャーな曲。
 シベリウス 交響詩「フィンランディア」
 グリーグ ピアノ協奏曲 イ短調
 ベートーヴェン 交響曲第7番 イ長調

● 「フィンランディア」は最近,CDを何度も聴いている。特段の理由があるわけではないんだけどね。ちょっと聴きたいときにちょうどいい長さってのもある。
 少し落ちこんだときに聴くと,効き目がある曲だと思いますね。本格的に落ちこんじゃったら,この曲を聴くことじたいが苦痛になるだろうけどね。
 この曲を生で聴くのはこれが三度目。ぼくの耳には充分すぎるジュニアの演奏。

● グリーグのピアノ協奏曲もこれが三度目になる。ソリストは地元出身の羽石道代さん。彼女のピアノをタダで聴けるんですからね。
 ぼくの席から,羽石さんの指の動きがよく見えた。魔法使いの指。ピアノの鍵盤の端から端までが短く見えた。

● ベト7はこれが七回目。ずっとフルートの一番奏者を見ていた。ジュニアだから当然なんだけど,うら若き乙女。
 ベト7で一番フルートを務めるって大変でしょ。緊張するでしょ。彼女はきちんと務めあげ,この大作の演奏を成功に導いた。

● 1stヴァイオリンの可愛らしい女の子も,堂々の演奏。小学生がベト7をやるんだからねぇ。曲の解釈とかってどうやってるんだろう,と思いませんか。
 でもね,たぶんできるんですよ,小学生でも。小学生なりの解釈ができているはずだと思う。自分なりのイメージをちゃんと持って演奏しているに違いない。楽譜どおりに演奏しなきゃって,それだけではないと思いますよ。彼女が意識しているかどうかは別だけれども,彼女なりのベト7解釈があって,それに乗ってヴァイオリンを操っているはず。

● 被災地に楽器を贈るための募金も併せて行われていた。これだけの演奏をタダで聴かせてもらっては,入場料相当分は募金しなきゃ,神さまに叱られるだろうね。

● 家に帰ってから,この日の3曲をCDで聴き直してみた。最近は家でもスマホ+イヤホンで聴くことが専らなんだけど,この日はパソコンにスピーカをつないで聴いた。
 ベト7はカルロス・クライバー指揮,バイエルン国立管弦楽団のライブ録音。これを自宅で何度でも聴けるってのは,ありがたいことこのうえないけれど,でも,ジュニアの生演奏を聴けることは,たぶん,それ以上に幸せなことなのだ。

2 件のコメント:

  1. 音楽を通して情操が豊かに育って欲しいですね。

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    1. ジュニアの演奏を聴いて思うのは,子供を子供扱いしかしないのは,大人の怠慢だということです。
      時に,紳士淑女として遇されて当然な場合がありますね。

      良き指導者にめぐりあって,まっすぐ伸びていってほしいものです。

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