2010年2月28日日曜日

2010.02.28 パーカッション&ホルン「クラシカルコンサート」

栃木県総合文化センター メインホール

● 28日(日)も総文センター(メインホール)で「とちぎ文化フェスティバル」の一環である『パーカッション&ホルン「クラシカルコンサート」』。午後3時から。同じく無料。
 出演者は栃木ホルンクラブと宇都宮パーカッションアソシエーション。どちらのメンバーも多くは栃響の楽員のようだ。

● 第1部は「ホルンよもやま話2010」と称して,ホルンとはこういう楽器ですっていう実演入りの解説をしていく趣向。コンサートで使われているフレンチホルンのほかに,ポストホルン,狩猟ホルン,アルペンホルンが紹介された。
 ポストホルンといえば,誰でもモーツァルトのセレナード第9番を連想すると思うが,実物を見る機会はそうあるものじゃない。なるほどこういうものだったのか。

● 第2部は「打楽器図鑑2010“Feel the Rhythm, Feel the Music ”」。プロデューサーは伊勢友一さん。企画・構成・演出のほかに,指揮と演奏曲の作曲・編曲まで担当。楽しい内容になっていた。演出の細かいところまで考えられていた。

● 唯一,合間の解説が冗長だったのが難。戦争と貧富の差のない社会を作ろうだとか,太平洋戦争末期の沖縄の悲惨さだとか,そういうことを語る言葉がまったく陳腐だったのが惜しいといえば惜しい。
 しかし,こういう問題を取りあげて社会に発言しようと思えば(しかもステージで),こういう言葉にならざるを得ないものでしょうね。

● 掃除をしながらモップで床を叩いたり,バケツを並べて,あるいは鍋を吊して楽器に見立てて行うパフォーマンスが面白かった。韓国に「ナンタ」というロングランのミュージカルがありますね。まな板で野菜を切るパフォーマンスがウリのひとつになっている。そのことを思いだした。

● 演奏した曲も伊勢さんが作ったものだが,最後にひとつだけそうじゃない楽曲を演奏した。バッハのパルティータ第2番の終曲「シャコンヌ」。もともとは無伴奏のヴァイオリンソナタ。
 これだけで17分もあって,弾きこなすにはかなりの集中力を要求されるものなのだそうだ。そりゃそうでしょうね。
 これを管弦楽に編曲したものを聴いて,音楽ってこんなにすごいことができるのかと感じ入った,それがこの道に進むキッカケになった,ということを伊勢さんは語った。
 で,それを何とかマリンバで演奏できないかと考えて,マリンバオーケストラに編曲した,と。
 ピアノ版はぼくのパソコンにも入っているのだが,管弦楽の演奏もぜひ聴いてみたくなった。ライブで聴く機会があれば一番いいのだが,CDを探してみようと思う。

● 今回出演した栃木ホルンクラブと宇都宮パーカッションアソシエーション,どちらのメンバーも栃響の演奏会で見ているのだが,彼らのバックグラウンドをかいま見ることができたのも良かった。
 オーケストラでの彼らは礼服?を着ている。今日の彼らは普段着ではないけれど,かなり自分よりの服を着ていて,自分たちの演奏を楽しんでいたようだ。
 栃響の演奏会では彼らが紡ぎだす音に感心しながらその様子をみていたわけだけれども,彼らはこんな活動もしていたんだ。年に二回の定期演奏とその練習だけじゃないんだ。プライベートのかなりを音楽に費やしているんだねぇ。

● 宇都宮に総文センターがあることもありがたいなぁと思うようになってますね。去年までは自分には無関係の施設だったから何も感じなかったけれども,こうして何度も足を運ぶようになってみると,ここにこの施設があることの恩恵って大きいなぁ,と。
 サントリーホールや東京芸術劇場に比べれば,荘重さに欠けるしパイプオルガンもない。けど,過剰な荘重さや飾りは要らないわけでね。音響もまずまずで,椅子の座り心地も問題ないし,案内役の女性スタッフもテキパキしてる。コンサートを楽しむには必要十分な環境を備えている。
 これ以上の設備があったとしても,ぼくには豚に真珠だろうな。

0 件のコメント:

コメントを投稿