2014年10月15日水曜日

2014.10.13 作新学院吹奏楽部第49回定期演奏会

宇都宮市文化会館 大ホール

● この演奏会は3年連続で3回目の拝聴。だいたい例年満席になるようだ。チケットは前売券(800円)を買っておきたかったんだけど,どういうわけか買いそびれていた。
 ので,早めに行って,当日券(1,000円)を購入。開演は午後1時半。

● 台風19号が近づいている。が,開演までは天気が持った。雨が降りだしたのは暗くなってから。
 これ,ありがたかった。最寄駅に着いて,そこから自宅まで歩けばいい,というところまで降らないでくれたから。
 降ると思っても傘は持たない。といっても,途中で濡れるのは歓迎しない(勝手な話だ)。あとは家まで歩くだけだというところから先は,いくら濡れたってかまわない。濡れて困るような恰好はしてないし。

● 例によって3部構成。スタートは上岡洋一「行進曲 秋空に」。もう知ってるけど,達者なものだというのが感想。
 巧さに色がある。巧ければ自ずと色が出るのかどうかはわからない。色も巧さの範疇かもしれない。このあたりは言葉遊びに堕していないかとわれながら怖れるのだけれども,この生徒たちの演奏には色がある。

● 次は,久石譲「ラピュタ-キャッスル・イン・ザ・スカイ」。木管から金管までどのパートも切れ目なく巧い。
 特に目を引いたのが,ティンパニを叩いていた男子生徒。見事な捌きだ。あと,コンマス席に座っていたフルートの女子生徒。

● 3番目は樽屋雅徳「ONE!」。おそれながら,曲はさほどのものとも思えなかったけど,演奏は素晴らしい。
 というような具合でどんどん進んで,第1部が終了。

● 第2部は,ハリー・ポッターやアナ雪の映画音楽,刑事ドラマのテーマ曲など。知っているドラマもあるわけで,感情移入がしやすい。
 上手に演奏してもらえれば,どんな曲も名曲になる。ということはないだろうけど,ときどき涙腺が緩んでしまった。こちらにそういう失態を起こさせる演奏だった。

● 第3部はドリル。ミュージカル「レ・ミゼラブル」からいくつかを演奏。
 打楽器陣の水準の高さが際立つ仕組み。ラインの変化もスムーズだったけど,少し舞台が狭かったか。
 ここの特徴は旗の使い方にあるのかもしれない。簡単そうに見えてもなかなか難しいんだろうな。

● 最後に,部長あいさつがある。このあいさつがね,過去2回とも立派なもので,感じ入るところがあった。当事者しか表現できない言葉で感慨を述べる。
 もちろん,高校生がやることだから,普通に立派なものである必要はない。っていうか,そうであってはいけない。偏っていてもかまわない。当事者ならではのことを言ってほしいのだ。
 で,今回も立派なものだった。顧問の教師があとから補正していたけど,それも愛嬌だろう。が,生徒を立ててやれ。細かいことはどうでもいいではないか。

● 最後の後に,もうひとつアトラクションがある。これもこの学校の定番。思いっきりはじけるのである。
 というわけで,2時間半。相当に上質なエンタテインメントだ。この時間を過ごせて1,000円は,お値打ちを超える。大人の吹奏楽を含めても(全部聴いたわけではないんだけどね),この学校の演奏が栃木県内最高水準ということになるのだろう。
 人生の達人ならば,毎日楽しく過ごせているのかもしれないけれども,ぼくのような未熟者にとっては,このステージは泥沼に咲いた蓮の花ようなもの。ありがたい2時間半だった。

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