2013年5月26日日曜日

2013.05.26 宇都宮シンフォニーオーケストラ第12回定期演奏会

宇都宮市文化会館 大ホール

● 宇都宮シンフォニーオーケストラの12回目の定演。当日券(1,000円)で入場。開演は午後2時。6分ほど遅れて始まった。

● 今回の曲目は次のとおり。
 ワーグナー 歌劇「タンホイザー」序曲
 モーツァルト クラリネット協奏曲 イ長調
 ドヴォルザーク 交響曲第9番 ホ短調「新世界より」

● ドヴォルザークの9番をライヴで聴くのは,今回が8回目。直近では,今月,宇都宮ジュニアオケの演奏を聴いている。
 幸いなことに,過去に聴いたものの記憶は残っていない。部分的に憶えているところはあっても,たぶん変容を受けているに違いない。人の記憶は信用してはいけないもののひとつだ。自分の記憶もしかり。
 何が幸いかというと,何度聴いていても憶えてないんだから,その都度,新鮮な気持ちで聴くことができる,ってことね。初めての気分で接することができる。
 ウチの奥さんや職場の同僚に対しても,この法則が適用されれば,人生はどれほど素敵なものになるだろう(いえいえ,ウチの奥さんは素敵な女性ですけどね)。

● そのドヴォルザークなんだけど,聴きごたえがあった。木管の男性陣に注目。特にフルートとオーボエ。
 こうして聴くと,ドヴォルザークの9番ってたしかに凄い曲なんだなぁと思わされる。壮大だ。でもけっして大味ではなく。世界三大交響曲のひとつに数えられるのも,理由がないわけではないんだな,と。
 そういうことを悟らせてくれる演奏だったと思う。曲に対してオケがきちんと対峙できてましたよね。曲に呑まれてないんだもんね。

● このオーケストラを初めて聴いたのは,4年前の第8回定演。ひょっとして当時よりだいぶ巧くなってます? 社会人の個々の奏者が有意に巧くなることってあるのか。メンバーの入れ替えがあったとか?
 あるいは,こちらが少しは聴けるようになってきたからかなぁ(そうだといいんだけど)。
 要するに,巧くなっているんじゃないか,と。オケとして。

● モーツァルトのクラリネット協奏曲。これは3回目になる。これほどの名曲なのに,演奏される機会はそんなに多くはないんだね。あまり演奏会向きではないんだろうか。
 したがってCDで聴くことが多くなるんだけど,ぼくはこの曲はバックの管弦楽,特に弦,で決まると考えていた。弦が巧けりゃ半ば以上は成功したようなもの。クラリネット(ソリスト)は弦の邪魔をしなければそれでいい。
 どうなんでしょ,これ。違いますよね,きっと。

● ソリストは平田彩圭さん。明るいブルーのドレスで登場。
 奏者はステージでは花でなければならない。女性奏者は特に。花としてきちんと咲いて,そこにいなければならない。
 もって生まれた容姿や体型や年齢は関係ない。それぞれが花。それぞれなりにきちんと咲いていてほしい。普段はどうでも,ステージでは。
 ソリストは目いっぱいに咲くことを強制される役柄だろう。平田さん,見事な咲きっぷり。文句なし。

● ときどき,曲を色にたとえてみることがあるんですよ。この曲って色でいえば何色だろう,この楽器の音色は色で表すとどんな色になるだろう,とか。
 ちなみに,クラリネットの音色は,ぼく的にはオレンジ色。フルートはブルーだね。かなり濃いめのブルー。オーボエははっきり黄色。っていうか黄金色。
 でね,このクラリネット協奏曲の色は,平田さんが着ていたドレスの色とドンピシャリ。
 第1楽章の出だしの部分は清冽な水の流れを連想させる。そのイメージがぼくの中に強烈にあって,この曲の色は透明感のあるブルーってことになっている。
 どうでもよかったですか。

● ところで,ソリストの平田さんもゲストコンミスの田中さんも,武蔵野音大の出身。指揮者の石川さんもそうだし,前のコンミス(小泉さん)もそうだった。
 ここは武蔵野音大の牙城ですか。いや,それがいいとか悪いとかじゃなくて。ここに限らず,栃木県で演奏活動をしている人って,武蔵野音大出身者がけっこう多いような気がしててさ。

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