2010年8月31日火曜日

2010.08.29 東京交響楽団特別演奏会

那須野が原ハーモニーホール大ホール

● 29日(日)は夕方6時から那須野が原ハーモニーホールで東京交響楽団の演奏会があった。電車で出かけて聴いてきました。曲目は
  芥川也寸志 交響管弦楽のための音楽
  ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第3番
  ブラームス 交響曲 第4番
 指揮は同楽団正指揮者の飯森範親,ピアノは小山実稚恵。チケットは買っておいた。B席で3千円。7日のプレイベントを含めてこの料金だから格安といっていいと思う。

● 大ホールがほぼ満席の状態だった。こんな田舎の不便なところにあるホールを満員にするのは,飯森さん,小山さんのネームバリューだろうか。はるかな昔,宮城県の片田舎のバッハホールが注目を集めたことがあったが,わが那須野が原ハーモニーホールもホールじたいの良さが,知る人ぞ知るの域に達したのかもしれない。
 ほとんどの人は車で来ていた(西那須野駅からホールまで歩いてくるのはぼくひとりだと断言できる。演奏会終了後,駅方面に歩いている人はぼく以外にいなかったから)。県内各地あるいは県外から車を走らせている人もいると思うが,それにしたって車で来られる距離にはおのずと限度がある。近場の人が多いはずで,田舎の人たちもきちんとした音楽を聴きたいと思っているんですよ。ですよね。

● 街興しのためにコンサートホールがあるわけではないとしても,このホールがなにがしか地元を活性化していることは間違いない。館長に丹羽さんという専門家を得ているのも大きいだろう。

● 演奏に先だって,飯森氏が曲の解説をする。サービス精神の発露なのだろうが,これはなくてもいいかも。前知識なしでとにかく曲を聴きたいとぼくは思うし,同じように思う人は多いのではあるまいか。解説はプログラムに語らせて,指揮者や演奏者は寡黙でいいとぼくは思う。
 とはいえ,国内のプロ楽団はどこも経営が厳しい。生き残りをかけていろんな試みを行っていると聞く。飯森氏は自身が音楽監督を務める山形交響楽団で「音楽家はサービス業」を標榜して,次々に新機軸を打ちだしてきたらしいのだが,この「コンサートトーク」もそのひとつ。

● 東京交響楽団,女性奏者が過半を占める。ヴァイオリンとヴィオラはほとんどが女性だ。金管に中年男性がいたけれど,平均年齢もだいぶ若そうだ。茶髪の男性奏者もチラホラいる。
 けっこう,人の出入りが激しいのだろう。ぼくらから見ると,プロ楽団の団員ってのは,好きで好きで仕方がないことを仕事にできているのだから,たとえ給料が安くても満足度は高いのじゃないかと思いがちだ。
 が,内実はそんな単純なものではないのかもしれない。何か,つまらなそうに演奏している人もいたし。
 でも,さすがはプロで,こういうと不遜な言い方になるけれど,管は笛もラッパも安心して聴いていられた。

● ブラームスの第4番は3回目になるが,他のふたつは初めて聴く。「交響管弦楽のための音楽」は芥川也寸志の若いときの出世作とのこと。聴きやすいというか腑に落ちやすい曲だと思った。自宅でCDを聞きなおす機会は当然ある。

● 飯森さんによれば,ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は弾きこなすのがとても難しい曲なのだが,小山さんが弾くと難しそうに思えない,と。難しい曲を軽々と弾いてみせるのがプロということ。
 ぼくは高いところの席だったので,彼女の指の動きがよく見えた。凄いものだと感じ入るしかない。長時間練習すると指から血が噴きだすというけれど,彼女の動きを見ていると,なるほどそういうこともあるのだろうなと思わされる。

● 日本人のピアニストで誰かひとりだけ挙げてみろと言われると,多くの人が内田光子さんの名を挙げるのではないかと思うが,その次はとなると,誰だろう。
 内田さんにしろ小山さんにしろ,圧倒的な技術で自分を認めさせてきた実力派だ。で,実力派の演奏ってのは美しいものなのだ。

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